特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座566 和良久は世界一シンプルな技

久しぶりに稽古について述べたいと思います。

なかでも75剱についてですが、
タテとヨコの剱の使い方の区別がつきましたか?

なかなか剱の操作が困難と思い察します。

基本的に、どの動きも螺旋ですので、
みれば同じような動きの繰り返しです。

内回りにクルクル・・・
外回りにクルクル・・・

和良久は慣れれば何のことはない、
単純な螺旋運動です。

廻す・・・

たったこれだけのことなのですが、
一体なぜ難しく思えるのでしょう。

原因はいくつか考えられます。

■一つは、かって誰も見たことの無い
動きであることです。

誰かがやっていれば、
またそれがテレビや雑誌などで
取り上げられたものであれば、
きっと誰かが予備知識として記憶しているでしょう。

そして多少なりとも親近感も手伝って
最初から円滑に動かす人も
どしどしと出てくるでしょう。

しかし、和良久の技は
かって誰も体験したことがない動きです。

見たこともないような動きなのです。

ですから、いま和良久の稽古に入られた皆様は
人類初体験の動きなのだということです。

それは月面にはじめて着陸した
人類のそれに似ています。

誰もやったことのないことを、
いま皆様はなさっておられるのです。

先駆者のない世界に
皆様は奇しくも足を踏み入れられ、
先駆者となって活動を開始されたのです。

これは画期的なことだと評価できます。
勇気ある選択だと思います。

この世界で誰もやったことがないことをやるのは、
それだけで勇気がいることですし、
果たしてこんなものが本当に役立つものなのだろうか
・・・と疑念を抱くのも無理からぬことです。

しかし考えても見てください。

世の発明というもの、すべて最初は鼻から馬鹿にされ、
誰も相手にしなかったのではないでしょうか。

見ていてください。

やがて和良久の技が世界を回り、
「特殊な動き」と思っていたのが、
「普通の動き」として社会に受け入れられる日がきます。

その時、皆様は特殊な技能を身に着けた職人さんのように、
誰もが皆様の技を真似ようと群がってくるでしょう。

和を求める気持ちが和良久を生まれさせました。

いまは螺旋の時代にはなりきってはいません。

まだ、しばらくは鋭角の時代でしょう。
大気中が鋭角になってしまい、
オゾン層を破壊しています。

鋭角波動が何もかもひび割れ状態にしてしまい、
人の気を刺々しくしてしまっています。

だから天変地異が続々と発生しています。

こういう鋭角の時代だからこそ、
鋭角を削り磨く螺旋の力が必要なのです。

皆様の使命は重大です。

流行ってるから始めたのではない。
何かメリットを目論んで始めたのではない。

はっきりとした理由が言葉として出てこない・・・
しかし、何かに魅かれて始めた、
そんな方の集まりだと察します。

私はそんな皆様の勇気と
懸命な選択に心から敬意を表し、
奇しびなるご縁に感謝しています。

■次に挙げられるのが、動きがあまりに単純過ぎる、
と言うことです。

「単純?・・・いえ、複雑ですよ」

そう言われるかもしれませんね。

複雑に見えるのは実は錯覚なのです。
方向のマジックといったほうがよいでしょう。

まず螺旋はクルクル・・・と
回すだけですからすぐ出来ますね。

しかし、ある一定方向に向けてだけ
旋回させれば簡単なのでしょうが、

それを下で回したり、上で回したり、
また右で、左で常に方向を変えて行うので
複雑な形に見えるのです。

どこを向いても
変わることのない気持ちで行えば
何のことはありません。

また、相手が打ちかかってくるのに
タイミングを合わせるということで、
相手に合わせるのに、つい気が焦ってしまい、
丸く動けず角張ってしまう・・・
ということもあります。

一人でやっているように、
相手がいても出来る・・・ことが大切です。

簡単なものほど難しい・・・
と昔から言われます。

難しくしてしまっているのは、
人のもつ知識が邪魔をしているのかもしれません。

現代人はあまりにも賢くなり過ぎてしまった、
と言えます。

軸を決めて旋回する・・・
これほど単純な動きが出来なくなるほど
人間は「ズル」賢くなり過ぎたのでしょうか・・・
と思います。

私は、和良久は世界一単純な技であると
思っています。

技は、複雑な点と線のつなぎ合わせで
あってはならないと思います。

スタートからフィニッシュまで
一貫した滑らかな線がつながり、
そして美しくて強い力が発揮できるものこそ
本物と思います。

それは螺旋しかありません。

本当に力を追求し、真剣に技を求めたなら
螺旋に行き着くはずです。
当然の成り行きと思います。

それは宇宙の存在そのものだからです。

■そして、もう一つ。

螺旋を行うには
軸が決まらねば旋回が起こりません。

軸を決める・・・とは、
もっと分かりやすく言えば
腰を安定させることでもあります。

腰が決まらないと、体がふらついて
回転がぶれます。

回転がブレルと自然に円周が
ガタガタになってしまいます。

体の各部分、つまり
パーツで生きることをやめて、
腰で生きる生活を選択すべきです。

腰を使った生活により「軸」が生まれます。

軸があれば自然
動きが統一されたものとなります。

腰の働きにより
腕や脚が動くんだと思えるように
腰を練ってください。

腰を中心とした動きこそ
「人間力」開発の基本だと言えます。

和良久は螺旋力を用いた
画期的な技を保有しています。

多分これが最終の武道と確信します。
これ以上の技は今後生まれないでしょう。

私たちは「とどめの武道」としての誇りをもち、
淡々と、しかし真剣に
行じていきたいと覚悟を新たにするものです。