特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座585 肉体大改造(1)

~剛・柔・流 三種の八力の型の実践

私の稽古法を明かす。
と言っても特別の技をやるわけではない。

私は基本にこそ極意が込められていると
信じる者の一人だ。

現に、様々な技は基本に始まり、
基本に集約される。

また、肉体的、精神的に弱ったときでも
この基本の型をこなすことにより、
勇気と希望が湧いてくる。

八力の型は実に様々な要素をもつ。

絶対的バランスのとれた不思議な型だと
つくずく思う。

体の骨や筋、筋肉を強くし、
技を強力なものにする。

八力・・・たったこれだけで、
ほとんどの条件を満たすなど考えてもみなかった。

八力の型は私にとってはまさに
天から授かった福音であった。

さて、この型、いったいどれほどの方が
真剣に行っておられるだろうか。

もし、この型をこれから話すように
真剣に行うのなら、短期間においても
変わらぬはずは無いのである。

形だけにとって言えば・・・
あるテレビのコマーシャルではないが、
モヤシのような人間(失礼)が、
筋骨隆々となり、女性は引き締まった体を
得ることが出来る。

剱を持てば、振ればうなりを生じ、
剱を組めば折れるのではないかと
案じるほどの威力が発揮される。

しかして、心は波風立たず、
心静かに安穏としていられる胆力が養成される。

こえから言う。
是非、心ある諸氏は実践していただきたい。

<解説>

この型により、次の三種類の鍛錬が
一度に出来る。

1、剛 ~鉄や岩のような体を造る

2、柔 ~柔らかな動きを造る

3、流 ~流れるような技を造る

要は「体は強く、動きは柔らかく、
技は流れるように」と言うことである。
でないと使い物にならぬ。

よく武術教室に行くと「力を抜きなさい」
とアドバイスされる。

「力を抜けば気が働くんだよ」と言う。

いまだ、「一流」の本物相手に激突して真剣勝負し、
力を抜いて気だけで倒した武道家はいない。

ほとんどすべてが素人相手に
「気」と称するマジックにひっかかっているのだ。

・・・違うのだ。

まず力を抜くのではなくて、
力を集中させることを学ばねばならないのだ。

それには、まず入門したての人間に
「力を抜け」と言うのでなく、
「力を入れよ」と教える方が進歩は早い。

力を精一杯入れて何回も何回も動けば、
そのうち力を入れようにも入れられなくなる。

そのとき初めて
「力を抜くことを体得できる」のだ。

この時こそ「役に立つ力」が
発揮することができるのだ。

物事は、例えば家を建てるのと同じだ。

基礎工事をしっかり行い、固い敷石を敷き、
コンクリートで固め、太い丈夫な鉄骨で
柱を築き、屋根を張り、壁で囲う。

まずは、時間をかけてでも
「強く」「固く」を基とすべきだ。

・・・これが「剛」だ。

そして次に柔らかく滑らかに。

・・・これが「柔」だ。

最後に流れるように美しく。

・・・これが「流」である。

剛、柔、流の段階を経て築かれた物は
堅固なことこの上ない。

さて、具体的な稽古法に入る。

これを八力の型で説明する。

両手を合わせた時、力を抜かないで、
掌に隙間がないほど、ぴったりと力強く合掌する。

右手と左手が互いに反発しあうのだ。
水と火は相容れない仲である。

しかし、一端ひとつにくっついた時、
驚くような信じられない力を発揮する。

合掌で両手を合わせて、内へ内へと力を
入れていると全身運動になっているのが分かる。

私は、空手に情熱を燃やしていた若い頃、
体は貧弱で青かった。

それを見かねた、ある先輩が

「前田、こうして一日一回でもいいから
がんばってみろ。

この姿勢を保って10数えるんだ。
2週間もたてばお前の体は
ムキムキになってるぞ」

とアドバイスをしかけてきた。

こうして・・・と言うのは、一体どんなものか。
至極簡単なものであった。

ただ両手を合わせて合掌の姿勢を
とるだけのものである。

しかし、この合掌に秘密がある。

合掌の時に、右手と左手は
押し合っている現象を造りだすのだ。

10秒数えて、休み、また10秒数えて休む
・・・を繰り返すのだ。

「緩めて締める」を繰り返すことにより
筋肉は強くなる。