特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座

誌上講座619「75剱の基本的動き方」

~初伝に進むために

75剱は75声の音声の発生時に起きる
水火の働きを示したもので、
これは水茎文字がそれをあらわしています。

水茎文字を見れば、その、
それぞれの水火の働きが一目瞭然なのですが、
その読み方が初心者には
少々難解に思えるかもしれません。

それならば、まず、水茎文字は
ちょっと置いておいて、
ますみの鏡の音韻表だけをご覧になってみて下さい。

表は、喉、唇、歯、舌、牙の順、
つまり「アオウエイ」の五音が、
右端から横並びと、縦並びになっています。

余談ですが、
このように文字を配列させることによって
強力な水火の渦を発生させるのです。

日本語が右端から縦並びで、
左方向に書くのを見ても分かると思います。

さて、水火には「重、中、軽」の三種があります。

1、「重」は吐く息のことで、打ち下ろしの剱をさし

2、「軽」は吸う息のことで、打ち上げの剱をさし

3、「中」は吸う息と吐く息が同時に存在することで
  打ち上げ、打ち下ろしを連続して行う剱

このように三種の水火の働きがそれぞれにあります。

横列の並びの「アオウエイ」を見てみますと・・・

「ア」の音声には、アワヤの各行。計15声あり。

「オ」の音声には、モボポの各行。計15声あり。

「ウ」の音声には、ズスフの各行。計15声あり。

「エ」の音声には、ネレテの各行。計15声あり。

「イ」の音声には、ヂギキの各行。計15声あり。

合計75声・・・と言うことになっています。

横の列は「組」むで、縦の列で「打」つとなります。

例えば「ヤヨユエイ」と言う音声で見てみますと、

「ヤ」と言うのは、横の列の音「ア」で組み、
縦の列の音「ア」で打つ・・・となります。

それで呼吸が「ヤ」は「軽」に属するので、
最初の「ア」は吐く水火で、
八力は打ち下ろしの「解」、

そして次の「ア」は吸う水火で、
八力は打ち上げの剱、
つまり「凝」と言うことになります。

次に「ヨ」なら、横列はやはり「ア」で、
縦列が「オ」になります。

呼吸が「軽」なので、最初は「重」つまり吐く水火で
始まる「ア」の解で組み、打ちは本題の「軽」なので
「オ」は分となります。

どうですか?

アやらオやら、軽やら重やら、凝やら解やら・・・
なにやら専門的な字句が並び始めましたが、
頭がこんがらがってきませんか?

要は、75剱は、父音の微妙に複合された
音声であるということなのです。

ここでは、まずは縦横の父音どうしの配列として
学んでいただいていいと思います。

もっとも、本来は水茎文字がより精密に
水火による音声の組み立てを行っていますので、

水茎文字をみて音の出し方をしないと、
ぼやけた音声になってしまいます。

しかし、ここでは、
難しいことを言うことをやめにして
出来ることから話を進めてまいりましょう。

以上のような法則をもって、
75剱の稽古を行うとこうなります。

アの剱を行うとき、「ア」と言って凝をなし、
「ア」と言って解を打つ。

また、オの剱を行うとき、
まず「ア」と言って凝をなし、
「オ」と言って合を打ちます。

このように、音韻表の横列で始め、
縦列で終わるという稽古を反復したします。

それに先立って、入門編では
「ア」と言えば「ア」の動きで、
ある「凝もしくは解」がすんなり出るように、
言葉と動きが合うように稽古をしています。

まず、しっかり音声によって体が反応するように
稽古をしていきます。

言霊に従う体を造る・・・
これはとても大切なことだと思います。

言霊に従うとは即ち神に従うことであります。

このように「入門1~3」では、
言霊の発声に合わせて八剱の打ちを稽古していますが、
ここでもう以下のように一色工夫を加えると
非常に面白く、また理解しやすくなるでしょう。

重の剱、つまり打ち下ろしであれば、
その時に発声する音声の発し方を、
小さく「アー」と言い始めて、
徐々に大きく「アー」と唱えます。

例えば、上空からアの言霊が舞い降りてくるように。

そうしますと
「ああ、これは重い剱で、打ち下ろしなんだな」
と理解できます。

また、逆に軽の剱の場合は、最初の音を大きくし、
最後の打ちの音を小さくするのです。

まるで、地上から天に向けて
舞い上がっていくようにです。

神道の祭式で、警蹕(けいひつ)と言う
「オ」の言霊をもって神霊に降下、
または上がっていただく作法がありますが、
これと同じです。

これも発声方法は、先と同じで、
降りていただく時は
「オー」を小さくから大きく発声し、
上がっていただくときは、
大きくから小さく発声いたします。

このように音にふくらみやら、丸み、伸縮などをつけて
発声していきますと、音が形として実感できます。

また音のもつ生き生きとした温かさが伝わってきます。

すると、不思議なことに、
心や肉体にまでその影響を受けてくることが
実感できます。

音が世界を創ったということを知って下さい。

よい音がよい世界を生み出し、
悪い音が悪い世界を生み出している
ということも理解出来るはずです。

言葉による心身の状態の変化を実感したなら、
それを善用することを学びます。

二人組んで、言霊を発声しながら剱を組む稽古です。

この時、人を活かすこと、人に喜びを与える音の波を
発生させることを意識します。

『言霊を発射して、相手を和ませる』ということです。

この「言霊剱」と言われる技をもって、
混迷せる社会を改造していくだけの力を
一人一人が培うのです。

この世を救うのは言霊しかありません。