特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座659「月」

年末にパソコンが故障し、
現代、以前の古いパソコンを引っ張り出して、
この文を発信しています。

このところ、メールが来ないがどうしたのかと言う声があり、
ああ、こんな駄文でも読んでくださる方もいるのだなと、
申し訳ないと言う気持ちと、嬉しい気持ちいっぱいです。

もつべきものは友だなと思いました。

パソコンが壊れた時、少しがっかりしましたが、
しかし、思えば何でもかんでも
パソコンに頼ってしまっている自分を思いやってみて、

「ああこれはいかん・・・、あの野山を分け入るような
超アナログ人間であった自分が、いつの間にか
機械の奴隷になってデジタル化しまっているのではないか」

などと、大いに自分の愚弄さを恥じ、
深く反省していました。

それで、パソコンが壊れたのを機に、
手作業を再開。

つまり、大学ノートを引っ張り出し、
これまた万年筆を片手に思いをぶっつける作業を
ここしばらくやっておった次第です。

どうせ、私は作家でも、学者でもありませんので、
上手に文章を書くなんて出来ようはずがありません。

また、色気を出して、
人に良く見られようとしている気持ちも、
もう、出す気にもならない年齢です。

ありのままの気持ちをさらけ出すのも
いい機会ではと、青年時代を思い出し、
ノートにミミズの這いずり回る字もおかまい無しに、
しばらく書きなぐっていました。

稽古人の皆さんには、
まだまだ伝えなければならないことが
山ほどあります。

その書きなぐったものを、またパソコンに打ち、
メールと言う形で皆様にお送りしていきたいと思っています。

すべてを手作業にするのも時代が許しません。
何のかんの言っても機械は便利なものです。

便利なものは神の賜物と喜び、
人間のぬくもりが消えない程度に
使わせていただこうと思います。

誌上講座などと銘打ってますが、
これも自分整理の稽古のつもりです。

たいした文面では無いのですが、
私や、私の師たちが残してきた足跡を文にし、
その技を理論化することは、
自分の務めのような気がしてなりません。

皆さんが、見ようが、見よまいが、
技を身につけた者の責任として、
その記録を残すことは、何といいますか、
義務のような気がしてなりません。

もしかしたら、これが何年か後に、
何かの役に立つようなことになるかもしれない・・・
などと、笑いながら、
しかし、かすかな希望も抱いています。

おかげ様で、私は、武道と言うジャンルに
生きてきまして早、40年になりました。

何て深い世界なのだろうと、
稽古のたびに驚くばかりです。

武道は、私達の住む世界をいつも変えてきました。

ある時は戦乱の世を、
またある時は平和な世をつくりだしてきました。

人のもつ限界点を知り尽くしたその技の数々には、
確かに先人たちの血のにじむような
歴史を越えてきた風格と威厳があります。

本当に技は正直です。

口だけではなく、行いだけでもなく、
また思いだけでもない、
本当にこの三つが同時に統合しうる、
素晴らしい分野ではないかと、
密かに、私はこの武道和良久を誇りに思っています。

武道は、いつも宗教と科学の間に立ち、
この両者に従い、あるいは逆らってきた分野でも
あろうと思います。

私は、この、いつも人類に刺激を与えてきた
素晴らしい文化を、大切に、また厳しく
守っていかなくてはならないと思います。

また、私は、武道は、お月さまそのものと思っています。

それも雲に隠れた時のお月さまです。

月は、暗い夜に光を投げかけ、
この地球上のすべての命を司る力の持ち主です。

月は、命の要です。腰と言う字をご覧になって下さい。

腰の力を高める武道の技は、
お月さまの影響をもろに受けているのをご存知ですか?

腰と月は呼応しています。
人が、生まれるも死ぬも、腰の働き一つです。

腰に八力備わり、四魂を稼動させ、
水火の作用活発となり命が育まれます。

ところが、実は、この腰がいまの世最も危ないのです。

日本から腰の動きが消えつつあるのです。

腰あっての腹です。
腹も、やはり月の字が入ります。
腹はすなわち、丹田です。

丹田(腹)は、霊的エネルギーの蓄電所です。
腰は、発電所と言えます。

ここで、電気が起き、光が生じます。
ですから、稽古をすれば
人柄が明るくなるのは当然なのです。

体内で、雷や稲光が起きるのです。
これが、言霊の響きに変え、また、
手足を動かす原動力となります。

武道と言うのは、日本が世界に誇る、
伝統文化遺産と言っても良いのではないかと思います。

ああ、しかし、その武道に眼をくれる者の
なんと些少なことか。

月影に 隠ろう姿を たれが知る
それ知るものは 今の世になし

息ひそめ 姿かくして世を守る
これが大和のもののふなりけり

皆様、今年も剱を愛して下さい。
剱に愛される人間になって下さい。

この剱、きっと皆様の心と体を守る
神器となるでしょう。

困ったとき、嬉しいとき、何かあったとき・・・
剱を振ってみて下さい。

少なくとも心を込めて100本振ったなれば、
必ず道が開けていくに違いは有りません。