特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座

誌上講座680「天津金木が示す技」(2)

75剱の技を行うについて、
和良久稽古人には、
まず以下の図表4点をしっかり暗記してほしい。

●布斗麻邇御璽

●水火の御伝

●水茎文字

●ますみの鏡

幾度も筆記すれば、
その真意もおのずと知れるものなり。

これらの図表は、言霊の秘密を凝縮した記号であり、
かってご神体として祭られていたものである。

また鎮魂の行をなすために
用いられたものであるとも伝えられる。

布斗麻邇御璽について・・・

山口志道(安房の人、明和2年(1765)生まれ)が、
代々家に伝わる不思議な図表を30年間研鑽していた。

やがて、荷田訓之という狂言師から
文化12年(1815~志道51歳の時)
稲荷古伝(一名水火の御伝)を授かって
一気にその謎が解けたという。

古事記製作時においては、まだ言霊の口伝が生きていたが、
後世その真意が伝わらなくなるのを恐れて、
言霊の原理を一葉の図にまとめたものがこの水火の御伝である。

それを、稲荷神社に奉納し後世の君子に委ねたのだ。

ますみの鏡について・・・

中村孝道(周防の人 志道と同時代人)と言う者、
言霊の秘密を探ろうとして京師に上がり、
空しく古老を尋ね歩くうち、
宮中より出た反故紙の中に「ますみの鏡」と呼ばれる
音の図表を見つけて、そこから言霊学を展開した。

75声のますみの鏡に、
目当木すなわち天津金木により
構成される瑞組木=水茎文字を配したのは
中村孝道であると言う。

これらの図表をもとに神道霊学を大成させたのが
大石凝真素美翁である。

翁は、至大天球、地球の御霊代たる六角切子の玉によって、
音の意味と力をより細微に立体的に示すことに成功し、
天津金木など用いて大日本言霊学としてまとめる。

水茎文字について・・・

『このみ国は文字を用いることなし。
ゆえに、いにしえは、文字なく
水茎というものにて七十五声の形を写した也。

ただ、このみ国は唐土とはかはりて
声の義理を用いる故に物にても名が別解釈なり。
古くは紫をあみ草を結いてなど
いいたるも右の水茎のことなり。

今にいたりても出雲の大社にて
みづくきの神事とて其かたち残りたるよし』

文政12年菅原茂厚が著した「神伝言霊真秘録」より

瑞組木倭文字は、倭人が秋津嶋なす七十五声を、
吹き出す息の形を履行、瑞々しき天津神算木に組み止めて、
履行の跡を記したる文字也

天津金木そのものはフトマニである。

「言霊七十五声」より~年月日著作者不明

また、この書「言霊七十五声」の冒頭に、
伝の次第として初伝、中伝、奥伝、別伝、太占の伝とある。

和良久では、言霊剱の習得階位を
初伝、中伝、奥伝などとしているが、
この言霊七十五声の書においても、
同様な名称が使われていたのを発見し嬉しく思う。

太占とは天地独立の大元を結んで
事物変化の本元を示すものである~孝道

出口聖師 談

水茎文字は、天津神算木の運用によりて
初めて解し得べきものにして、
その成立の奥底を為すものは、即ち宇宙大経綸の根元より出ず、
太占より斯くして湖面に昼夜文字を描きつつ
天地人の水火の艮より現出して
神異を伝えたまうぞ神国たるの御徴なりける。

中略(そして大正4年5月16日、
琵琶湖の水面に「アオエイ」の水茎文字を確認する)

・・・綾部の本部へ帰るとともに
金竜湖にも水茎文字の浮かばむことを
精神をこめて祈願いしたのであった。

神明納受ましましたか、
その当日より瞭然として水面に文字の浮かぶこととなった。
これ大神のご神慮に依ることであった。

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これから75剱につき、
その水茎文字(天津金木)の運用を記す。

読み方、動き方については、
詳しくは実地で指導する口伝によるしかないので、
ここでは簡単に解説しておく。

一連の動きを「呼 呼 吸 吸」
または「吸 吸 呼 呼」で構成する。

呼~下がる (解・合・静・弛)

吸~上がる (凝・分・動・引)

1、起~剱の初動

2、組~打ち方の剱と組む

3、重~水火を重ねる

4、打~打つ

基声~各音声において、ことさら基本となる声

内~内旋

外~外旋
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基本知識

声 水茎  発声  八力  一霊四魂

ア  ー   喉   凝解   幸魂

オ  =   唇   分合   和魂

ウ  ○   歯    ウ    直霊

エ  |   舌   動静   荒魂

イ  ∥   牙   引弛   奇魂

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75剱

基声「アワヤ」 根之棚 

ア  喉 
  
  吸(起) 吸(組) 呼(重) 呼(打)

ア  ー    ー    ー    ー    内

オ  ー    =    =    =   内

ウ  ー    ○    ○    ○   外

エ  ー    |    |    |   外

イ  ー    ∥    ∥    ∥   外

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

基声「ヂギキ」 高天之棚

ダ 牙  

  吸(起) 吸(組) 呼(重) 呼(打)

ダ  ∥    ∥    ー   ー    内

ド  ∥    ∥    ー   =    内

ヅ  ∥    ∥    ー   ○    内

デ  ∥    ∥    ー   |   外

ヂ  ∥    ∥    ー   ∥   外

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
根之棚 

   呼(起) 呼(組) 吸(重) 吸(打)

ヤ  ー    ∥    ー    ー   内

ヨ  ー    ∥    ー    =   内

ユ  ー    ∥    ー    ○   外

エ  ー    ∥    ー    |   外

イ  ー    ∥    ー    ∥   外

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高天之棚

  呼(起) 呼(組) 吸(重) 吸(打)

カ  ∥    ∥   ー    ー   内

コ  ∥    ∥   ー    =  内

ク  ∥    ∥   ー    ○  内

ケ  ∥    ∥   ー    |  外

キ  ∥    ∥   ー    ∥  外