特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座

誌上講座685「スペシャリストの育成」

私は時々ではありますが、訪問する国で思うのは、
彼らが求めているのは、
行く国行くに国に媚びへつらう無国籍人間ではなくて、
母国を愛し、その母国の文化を身に着けた
スペシャリストをこそ彼らは大いに歓迎してくれます。

学ぶべき価値があるかないかを的確に見抜くのです。

彼らは自分にない文化を欲しているのです。
自分の国にない歴史を学びたいのです。

外国にいくために
付け焼刃的に身に着けた技ではいけません。

それをさせれば
並ぶ者なき技をもった存在との遭遇をこそ
彼らは求めています。

完璧な技をもった達人たちを外国へ送り込むのです。
だからちょっとかじったぐらいではいけません。

海外へ行って「日本伝統芸術とは・・・」と
一講釈述べるのなら尚更です。

ところが、大半の者たちが
いい加減な日本を国外に持ち出している始末です。

茶番劇はもうやめなければなりません。

これでは日本の品を落とすだけです。

武道家は受けを狙うためにやっている
サムライショーのようなことをやめるべきです。

茶道なら、芸者ショーのようなパフォーマンスではなく
本当の潔斎のためのお茶をすべきです。

どうせ日本のことを知らないのだから
いい加減にやればいいじゃないか・・・
と思っているのなら大間違いです。

彼らのかなり眼は肥えています。

もしかしたら私たちより日本を知っているかもしれません。

知らないからと言っていい加減にやるなど、
それこそ日本人の風上にもおけません。

本物だけが残る時代となる、と
和良久の名付け親である四代様は言いました。

本物は絶え間ない修練によってこそ成就します。

日ごろ修練もしないで本物顔をしたところで、
すぐに化けの皮が剥がされます。

何につけスペシャリストを海外に送り込むことです。

国はスペシャリストを育てる環境をつくることです。

能楽なら能楽のスペシャリスト、
武道なら武道のスペシャリストです。

それに人生を賭け、
それに命を賭けたスペシャリストです。

それだけで外国の日本に対する
見方、考え方が大きく変わります。

それどころか、この国自体も大きく変わるでしょう。

技芸に秀でた国、魂を大事にする国。

努力しない者、また他国の者がやすやすと
真似の出来ないほどの力をもった業師を育成することで
「特殊な国」「奇跡の国」としての権威が
国を守ることになるでしょう。

日本の国防は銃やミサイルではなく、
品格と人格をもって行うことだと思います。

尊敬される国に戻ることです。
そのための惜しみない努力をいまから始めることです。

これをもって外交に臨むことだと思います。

とにかく自分と言うものをしっかりもつこと。
そしてそのために自国の文化をしっかり知ることが大切です。

これは大事なことだと思います。

それと同時に、まずこの国自体に
息吹を取り戻さねばなりません。

具体的に和良久が果たす役割を思いますと、
やはり一般の方をはじめ、国外の人たちにも親しみやすく、
日本語に触れてもらう機会を設けることだと思います。

語学教育と言う難しいものではなりません。

まず「言霊の法則を感じてもらう」ところから
入ってもらうことだと思います。

それには、まず「ス」と「ウ」の音を出してみること。
そしてその音のはたらきを実際に演じてもらうことだと思います。

最初から難しいのはいけません。

「感じる」だけでいいのです。

天と地の存在を感じること、
その入り口が「スーウー」と言う音です。

音が出れば、そこに必ず動きが生じます。

だから実際に身体をつかって動きます。

身体を使えば感じる度合いも大きいものです。

私たち武道家は実際にやってみせれます。これは強みです。

八力の型の冒頭の部分をのみ真剣に教えてあげてください。

短い型ですが、呼吸をゆるやかにし、
心を込めてゆっくり動かします。

「スーウー」

これだけで、重要なキーワードを伝言できます。

「ス」は世界でもっとも美しい音声です。

それは素敵の「ス」です。

素晴らしいの「ス」です。

凄いの「ス」です。

スーッとした、の「ス」です。

言霊は身体で感じるものです。

・・・そして、以上のことを踏まえて、
一般に向け以下のことを考えました。

<案>

和良久の稽古枠を「武道和良久」以外に「ワラク」を新設します。

「武道和良久」~日本武道としての本質を頑なに貫く妥協を許さぬ専門的分野

「ワラク」  ~剱を用いず素手の型稽古を主とする。以下の二つに分ける
①雛(スウ)の会  ・・・精神の統一、安らぎなど「心の分野」に重点をおく
②青栄(アオエイ)の会   ・・・日本独自の体操「八力の型」で心身を鍛える

※以上は仮称です。

「ワラク」の実施に際し「雛の会」と「青栄の会」の専門指導員を育成します。
これは誰でも容易に取得できます。

①和良久の基本理念
②八力の型の実用的な意味
③日本が誇る強力なメディテーション~鎮魂

この「雛の会」「青栄の会」を広く一般に推進普及させ、
言霊の法則に沿った人を育成します。

これは主にセミナー、臨時稽古を中心としたものとします。

しかし、やがて先へ進む意気込みが出てきたら奥があります。

ワラク ~ 雛の会(心)→青栄の会(心と体)→武道和良久(心と体と技)

スウ→アオエイ→75声・・・
これは、つまり布斗麻邇御璽なのです。

このように「ワラク」から入り「和良久」に至ります。

<紹介~例>

和良久

■言霊剱

日本古来の言霊の法則を、
佐々木小次郎が使っていた
和良久独特の木剱を使って学びます。
その動きは、まるで地球ゴマのように美しく
不思議な旋回運動を見せます。
入門から奥伝までの各段階を取得し、
言霊剱「75剱」を極め
世界に通用する本格的な武道家を目指します。

稽古着・袴・白足袋を着用します。
大木剱・小木剱が必要となります。

ワラク

■雛の会

ワラクは非常に優れた日本古来の鎮魂法です。
「スーウー」と静かに声を発しながら、
体の芯までストレスを和らげ、精神統一をはかり、
まるで親鳥に守られる雛のように
ゆったりとしていただきます。

普段着のままで気楽に稽古をします。

■青栄の会

和良久の基本である「八力の型」を中心に、
呼吸の方法と腰を軸にした体の使い方を
やさしく、ゆっくり学び心身統一を目指します。
八力の型は、ヨガや太極拳にかわる
日本独自の身体操作法をもった健康体操として、
元気を求める皆様に自信をもってお伝えします。

動きやすい服装でご参加いただきます。
道具は一切用いず素手だけで型を行います。