特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座113


「天と地」


現界では、人は神様から肉体という衣を与えれ、
身につけさていただいています。

内(霊界)と外(現界)をつなぐもの。それが肉体という「衣」です。

肉体にかね備わっている触覚、臭覚、視覚、聴覚、味覚など
の五感を通して、人は容易に物の本質を覚り、
そして心が納得し、霊魂の向上を促すことが出来ます。

もし、この肉体という媒介がなく、霊だけのものとなったならば
精神の向上は非常に困難極まりないものとなります。

心は肉体という媒介を通して「経験」を通じて学習し、
物の道理を覚ることを得るのです。

ツルギは、その肉体という霊界と現界をつなぐ媒介同様の
働きを助け、促進する道具なのです。

そのツルギの旋回力により、次元の向上を加速せしめ、
道の探求を易いものとします。

人は地に足をつけてこそ活動が出来ます。

いくら筋力を鍛錬し駆使しても「地に生きる者」として、
その挙動の速度、および力には自ずから限界があります。

力はその言葉どおり「地から」くるものです。

人は大地の助けを借りなくては活動が出来ません。

人が神を思い、そのお役に立たんと願い、世界を舞台として
縦横無尽に活躍をなすには、この「地」からの力だけでなく、
「天」からの力も必要となります。

地剱、天剱の両方あって始めてバランスの良い体制が整い、
的確な活動をなし得ることが出来るのです。

天と地は相互によく影響し合います。
どちらが良い悪いというものではなありません。

天と地は相反し、また合い受け入れ合う関係にあります。

天は地を基準に、地は天を基準に存在するのです。

剱が天を指す時、「鶴」が口ばしを空に差し向けて鋭く伸びやか
に飛翔する姿の如くなり、

剱が地に鎮まる時、「亀」が水陸を安定感溢れる姿でゆったりと
平行に移動するものの如くとなります。

よって「鶴」と「亀」と書いてツルギとも言います。

肉体に合わせた動きというものは、大地に足をつけたどっしり
としたもので、堅固にして直線的なものです。

霊的動きとは天に向かい、軽やかにして柔らかく、
ふっくらとして暖かい球体を形成しています。

魂の向上に合わせて、地から天へ向かうものの如く
その動きも角張ったものから、丸い動きになっていきます。

しかし、この両面が兼ね備わってこそ、縦横無尽な活動が出来るのです。

天あっての地。

地あっての天です。


続く・・・・