特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座139


「言霊」 〜その作り方


言霊は、「ことだま」ではなく「ことたま」と、にごりのない発音をします。

言霊は、完全無欠なる、澄み切った全き球体であり、
それはアオウエイのそれぞれ五つの球で構成されております。

言霊を出すということは、自分の体内にて球体を形成し、
充分に磨きあげます。

その球体を形成するには、
例えば子供のときに泥団子を作ったことを思い出してください。

前後、上下、左右から手でしっかり押さえて、押さえて固めていきますね。

手の中で中心に向かって、強くもなく、弱くもなく、
ほどよい力加減をもって、丸く、丸くなるように形を整えていきます。

このように球体をつくるということは、
周囲から満遍のない均等な圧力を加えていく必要があります。

そして最後に、きれいに磨いて完成させます。

中心に向かって力を加えていく行為そのものは、
円満具足なる精神を育成します。

話は飛びますが、オムスビを作るときは、
無数の米粒を固め合わせます。

それは、お米に向かって作る者の深い「思い」が直接加わります。
誰もが温かい愛情を感じます。

オムスビは愛情の塊であり、食べる者を元気にさせます。

オムスビとは、御結びであり、尊きもの、大切なものを結ぶ意であります。

「結ぶ」とは、中心へ集結させることであり、
周囲のものをつなげることであります。

言霊も、このように愛情をもって手を加え、
どこにも偏らない中心へ終結させたものを作り上げなくてはなりません。

まず頭(上田)で音声を秩序よく並べて言葉をつくり、
次に言葉を胸のあたり(中田)で思い直して消化し、
腹(下田)に落として、これは外へ出しても大丈夫であり、
他の益になるものだと納得した時、初めて言霊としての効力を発します。

上田は、左右。
中田は、前後。
下田は、上下。

この各方向から、しっかり中心に向けて「結び」「合わせる」のです。

そして出来た言霊は、オムスビのように愛情深い食べ物となり、
人々の栄養となるのです。


続く・・・