特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座156


「技の上達段階」


物事には段階というものがあります。

習い事の世界に入った人が、
いきなり先生の真似など出来るわけも無く、
最初はたどたどしく自信無げに動いていきます。

その動きたるや、力みかえり角張った、
息の詰まった、いわゆるカチンカチンの動きです。
強さだけの世界です。

これが「剛」の段階です。

しかし、適切な指導のもとで、
動きの無駄を省いていきますと柔らかさが出てきます。
動きの節目が途切れることなく、

いわゆる線がつながった(息がようやく通った)状態です。
速さの世界です。

これが「柔」の段階です。

そしてついに細かい部分の動作を行える余裕が出てまいります。
緻密で、動作が滞らない、流れるような動きへの到達です。

こうなると動きに丸みが出、速さ、強さも加わって美しさが際立ちます。

これが「流」の段階です。

以上のどれもが「動」の世界です。

しかし、この動を益々追及していくとまた「静」に帰ります。
(この動、静は八力のそれではなくて、動く、止まるのことです)

どれが良い、悪いではなく、
すべてが経てこなくてはならない過程なのです。

点という極まりの位置から始まって、
大きな渦〜螺旋に広がりそれがまた極まって点に帰ります。

八力の型では「天」を指す動作から始まり、
徐々に螺旋運動に変化して、それがヨコに、タテに巡り、
最後に地平を指すことで型を終えます。

八力の型は宇宙創造の過程を端的に表現したものです。

さて、剱の技の上達段階も、以上の如くで、
大まかには「一の剱」「二の剱」「三の剱」とステップ別に分けられます。

そして、さらに「四の剱」「五の剱」と究極の技に入っていきます。

「一の剱」・・・直線の動き ( □ )


「二の剱」・・・円の動き ( ○ )


「三の剱」・・・螺旋の動き ( ◎ )


「四の剱」・・・点の技 (・)


「五の剱」・・・水火の技 ( ○ ・)


続く・・・