特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座176


「2003年 次へのステップ」


二の剱の道〜序章

今年の目標に100人の75剱の使い手育成を 掲げた。

とんでもないことを言ってしまった・・・と思ったが、
毎日「皆に分かりやすくするために」を主眼に
指導法の研究開始。

絶対に本質を崩さず言霊剱の醍醐味を伝えようと 思うとかなり頭が痛い。

しかし見えてきた。

「皆まったく同じ動作」に、ではなく、その人の持ち味を引き出すこと。

詰まった空間ではなく「遊び」もなくてはならない。
でないと円滑に旋回が出来ない。

癖も個性のうち。
いろんな螺旋の描き方を見るのもまた楽しいかも知れ ない。

誤っては成らない基本的な剱の軌道を示してさへいれば
あとは稽古する者が時間をかけてそこにたどり着く。

最初からパーフェクトを強いるのではなく、パーフェクトを 目指すように
最初にしっかりセッティングさへしておけば いつかは皆たどりつく。

人のもつ向上心は自発的に伸びる・・・そう信じることにした。
私は、ただそこに時々手入れをさせていただくだけだ。

螺旋は高速になるにつれ形が整い、濃厚なる力を集約させる。

いびつな形の旋回しか描けない人も、稽古を積み、旋回がより 強く、
高速化してくると見事な螺旋に変わる。必ず。

旋回から入る稽古を最初から行う。
骨格を整えて後に螺旋にと思ったが、螺旋そのものから入っても
差し支えないことがここ一年の稽古では判明した。

いつまでも足し算引き算を繰り返している時間など無い。
私は皆の向上心を切に感じる。

螺旋は様々な良き事を引き寄せるものであるらしい。
また様々な悪しきことを排除するようだ。

期待し、味わって欲しい。
皆で高速化していく世界に突入するが、しかしそこにあるのは
ゆったりとした時間が流れ、温かいものであるという感覚を。

オカルトでもない。
思い込みでもない。
学問でもない。

現実に体験できる武道の空間を。

かって達人たちだけが、
また選ばれた者だけが味わった時間空間の存在を。


続く・・・