特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座 誌上講座

誌上講座221


「和良久って何だ?」 (18)


具体的にどういった稽古が
和合の心を培うと言うのですか?

・・・こんな質問を受けました。


和良久では、呼吸は螺旋しており、
この螺旋する呼吸を互いに合わせることが
和合の心を培うものと考えています。

螺旋を起こすには中心になる軸がなければなりません。
その軸を中心にして円やかな螺旋運動が展開されます。

さて、和良久の稽古は、まず八力と言う基本の型を行います。
この型は、最初に垂直に両手(または剱)をあげて天に向かい、
地に両手を水平に伏せ、次にこの天地の間を
螺旋(輪を描く)して結び(合わせ)ます。

これは天地和合(神人一致)を願った動きです。

これはまた自分自身の心と体を和合(霊体一致)させる動きです。

そして和良久では剱をもって二人で組む稽古をいたしますが、
これで螺旋をもって相手の呼吸と自分の呼吸を、
合わせる「自他一致」の精神を学びます。

螺旋運動をもって、いかなる直線や角のあるものをも、
すべて円やかに、滑らかにならしめるよう稽古します。

その人の心の状態は、
心の姿を形に表した「剱」を通してのみ現れます。

幽なるものを顕なるものに表す神器こそ剱の役目です。

その幽なるもの、つまり「心」が丸く、温かく、
綺麗なものであるために、
ひたすら綺麗な螺旋が描けるように練るのです。

呼吸は角張っていたり、途切れていたのでは
心がそのような状態であることを知るべきです。

螺旋は描けば、描くほどきれいに、円満になっていきます。

その円は時々刻々変化し、ますます輝きを増していくのです。

ですから毎日稽古しても、同じ形(螺旋)はなく、
磨きがかかっていくことを実感します。

描く輪が、まったき円満具足となることを願いつつ
稽古を重ねるのが和良久です。

和良久の稽古では「直線、曲線、静止」の三つを
気をつけて排除くしていき、
ひたすら丸い丸い螺旋を描くことを目指していきます。

やがて自分が描く輪(和)と、相手が描く輪(和)がひとつになり、
大きな大輪のような花が咲くことの喜びを発見します。

これが自他和楽の世界を体験する瞬間です。

このように呼吸と呼吸を螺旋をもって合わせることが
和合の基と存じています。

呼吸と心とは不即不離の関係にあります。

見えない呼吸を、剱を通して見えるものとし、
自分の息を丸くし、相手と剱を組むときに、
また丸く、温かくあるようにするのが和良久の稽古です。




続く・・・