特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座237


中級レベルへ〜平面から立体的に (3)


前回に引き続き、「ア」をもって説明を進めます。

前回は、体を右に捻転させて組んでみましたが、
今度は体を左に捻転させて組みます。
もちろん「ア」の剱ですから、「凝」でです。

えっ?・・・と思われるかも知れませんね。
まず、足さばきで説明しましょう。

右に捻転させる時は、
左足を軸足である右足の右後方に移動させましたが、

左に捻転させる時は、右足を左方向内側へ移すのです。

文章で立体的な動きを表現するのは非常に困難ですし、
これを見ている方々も理解し難いことと思います。
まあ、簡単に申し上げれば、
打ってかかるパートナーから見れば、
こちらの体が正面から消えて右方向にいる、
と言うことになります。

このように、パートナーが起こす勢いに乗じて
相手が正面から消え、

相手が右に、左に転がって入り込んでくると言うような、
まさに牛若丸のように
「ここぞと思えば、またあちら」と言うような
多面的動きが展開されることになります。

この体の旋回を利用し、側面への移動のみならず、
パートナーの後方への移動、つまりパートナーが打った瞬間に、
パートナーの真後ろに立っていると言う技が可能になります。
相手と一つに溶け込む技と言えます。

ここまで来ますと、パートナーの打ち方は、
どんな打ちであっても組むことが容易になります。
こちらは何が来ても
「アの剱」なら「凝」だけで対処をいたします。

ここでパートナーの打ちを整理しますと、
いつも基本の稽古で行っています「八剱」をはじめ、

内回りの突き上下二本、
外回りの突き上下二本の四本を入れて、
合計12通りの打ち方があります。下に列挙します。

凝・解・分・合・動・静・引・弛

内回りの突き〜下から・上から
外回りの突き〜下から・上から

以上12剱。

この12の打ちをもってパートナーは、
あなたに打ちかかってきます。
これをあなたは「アの剱」ひとつで対処するのです。
これこそ言霊の一元多義の法則の妙味です。

続く・・・