特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座265


「最強の神たち」(2)


布留を演ずる中で、
自然足の向きが『星』形に踏み出した。

そして、まっすぐに身体は直立し、
両腕は大きく左右に広げられた。

不思議や、このポーズをとったとたんに
体の力が充実し、全身からまばゆい光が
放射しているような気がし

「われここにあり!」と心が勇み、
何も怖くなくなってきた。

これは一体・・・?

その謎は、これからお話しする、
ある一柱の神の物語を知ったとき納得出来た。

・・・素盞鳴尊は、八俣大蛇を退治し、
その大蛇から取り出したる剱を天照大神に献上した後、
大蛇から救った櫛名田姫を妻となして
須賀の地に住む。

時を経て素盞鳴尊は大国主命にこの地上世界の
支配権を譲渡した。

やがて天津神たちが豊葦原の中津国を支配することを
決定し天孫降臨が計画された。

そして、それに先立って建甕槌神と経津主神などの
武神の誉高い神々が威風堂々として下され、
抵抗する国津神たちをことごとく打ち負かし屈服させた。

しかし、驚くべきことに、この無敵の二神でさえ
手におえず敬遠した神が、一柱この地の国にいた。

名を天津甕星(あまつみかぼし)、またの名を
天香香背男(あめのかかせお)と言う。

星の名を背負う唯一の地上神である。

建甕槌神と経津主神は言う。

「この香香背男はわれわれの手に負えない。

もし、こいつを何とかしてくれるなら、
我々は容易にこの国をおさめることができるのに・・・」

そう二神は天神に向かって嘆いた。

そこで天津甕星討伐に選ばれたのが、
天神最強の神「手力男之神」であった。

さあ、天の最強神と、地の最強神の対決である。

手力男は地に下るや否や、期待に違わず
天津甕星を見事打ち破り追放に追いやった。

そして、ようやく天津神たちも安心し、
ニニギノミコトを立てて、
無事に天孫降臨が果たすことが出来たのだ。

こう書くと、なにやら天香香背男が
天神に背く不遜な悪神のように思われるが、
香香背男は香香背男なりに、
国を護るのに必死だったのだ。

また、天の命を受けた手力男も
涙を呑んで使命を果たしたことを忘れてはならない。

この天津甕星こと天香香背男には、
また別名がある。

そして、この神、実は「神懸り」を行う際に
無くてはならない凄い神様なのである。

力があるだけでなく、奇魂(くしみたま)という、
智恵を司る霊魂そのものの化身であることを
証明する一文をここに紹介する。

続く・・・