特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座374


「水火を観る」(2)


台風や竜巻、また渦潮は雲を通し、空気を通し、
水を通して、はっきりとその姿を確認出来ます。

この猛烈に螺旋運動する自然現象の姿こそ
水火の働きそのものなのです。

私達は木剱を通して、その水火の姿を現します。

さあ、稽古しましょう。

しかし、すでに、こういった稽古は、
和良久の世界に入られた時から味わっていること・・・
それは、もう感じてらっしゃる方も
大勢いらっしゃることと思います。

あえて今更、と、これを書きながら
私自身も苦笑していますが、
あらためて「水火を観る」に取り組んでみましょう。

まず、「打ち方」と「受け方」の双方の
水火を合わせる稽古をしてみましょう。

いろいろありますが、基本的なやり方から・・・

(1)受け方のほう、天剱に構えます。
   打ち方、地剱に構えます。

(2)受け方、内回り旋回を行い、
   その旋回の勢いに乗せて「解」を打ちます。

(3)打ち方は、相手(受け方)が天剱に立てて
   内回りに旋回する、その旋回のタイミングに合わせて、
   外回りに旋回をさせます。

(4)そして、受け方の内回りの旋回の後に来る
   打ち「解」に合わせて、打ち方は「引」で右に抜けます。


要約すれば、相手の打ち「解」の加速に乗って、
「引」を打つ・・・と言う感じです。

この時、解を打つ為に、旋回する相手の剱の勢いを
肌でとらえる、と思ってください。

これは眼で見たら遅れます。
三田(さんでん)でキャッチするのです。

打ってくる「解」を、「引」で合わせる、
と言う技法・・・
この様に相手の動きに合わせて動く技法を
俗に「合わせ技」と言います。

また今回のように打って抜ける技法を
「合い抜け」とも称します。
中々に高等テクニックです。

この合わせ技を行うには、まず
相手が次に何をして来るのかを知ることが肝要です。

それは「感」でも何でもなく、
確かな予測が必要です。

そのために「旋回」を見ることであり、
その旋回が高速旋回となって、
圧のかかった(力を持った)状態となって
生き物と化した姿が「螺旋」であります。

その生き物である「螺旋」を
三田の働きに合わせれることが
「水火を観る」と言うことであります。


続く・・・