特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座460


「水火の宮殿〜八尋殿の建立」(1)


宇宙創造は、
ビッグバン(大爆発)から始まったと言われる。

時間を遡れば、過去のある時点では
すべての天体は1点に集まっていた。(ス)

つまり宇宙全体が非常に小さく
高温・高密度の状態にあったのである。

閉じた宇宙であれば、ある時点で膨張が収縮に転じ、
やがて大きさが0につぶれる(ビッグクランチ)。

凝縮が進めば、その質量も高くなり
同時にエネルギーの密度も極限に達する。(ウ)

内へ縮まるだけ縮まれば、今度はそのエネルギーは
外へ働くという反作用(反射力)が働く。

点に等しい極微なる「・(ホチ)」は、
極大に広がるエネルギーを発生させ、
その時、爆発を迎える。

爆発により、星は、また多くの星を生みだす。
終わりは、また同時に始まりを意味するのである。

我々の住む地球は惑星のひとつであり、
いくつかの惑星が太陽の周りを回っている。
(アオエイ)

太陽とその周りを回る惑星、その周りを回る衛星、
そして小惑星や彗星が太陽系を構成しているのだ。

また、太陽のように自ら光っている星を恒星という。

恒星が集まって星団を形成し、
恒星や星団が集まって銀河を形成している。(75声)

銀河団の分布が、宇宙の大規模構造を形成している。


星のように、人も一人で生きていくことは出来ない。
宇宙の構造と、人間社会の構造は同じである。

星星のごとく、人も、人として保有せる能力を
精一杯に放出して輝き、そして多くの人々と吾と
「お互い様」で、というリズムをもって大切に、
かつ豊かに関係を保ちながら
共生して世を渡らうのである。

宇宙発生の構造は、また人類発生の構造でもある。

その宇宙創造の歴史を「言霊」の力を借りて遡り、
それにより、宇宙の構造と運行を学ぶ。

祝詞にある
「言霊の助けによりて大神の御心を覚り・・・」
であり、言霊、つまりスピリチュアルなる音声の
秘密を探ることで宇宙の真相、ひいては
人というものの真相を知ることを得るのである。
これが和良久の稽古の妙味である。

宇宙の誕生も、人の誕生も同じである。
そして、宇宙の運行は、また人の運行、
つまり人生と同様なのである。

さて、言霊とは水火の働きである。
水と火を組み合わせ、旋回が発生し、
その波は空間に数多くの文様を描く。

その文様は、我々日本人が用いる
音声の数だけあり、その数75声である。

やはり最初は虚空に一点のホチ(・)から始まる。
これが「ス」である。

そのホチを中心軸として
少しずつ緩やかな旋回が起こる。

その旋回は外に向けて、一旋回ずつ重ねるように
拡大されていき、やがて無限大に広がりをみせる。

拡大されるだけ拡大されたホチは、
また同時に内に向けて旋回を起こし、
今度は無限小に凝縮されていく。

「ウ」という状態に入る。

凝縮されたホチは、質量を増し、
平面的な旋回が上下、左右、前後の運動によって
立体的な円、つまり球体に近づく。

球体に近づくにつれ膨縮圧が発生。

さらに球体の旋回が高速となり、
空間に摩擦を起こし熱と光を発生させる。

その熱と光の発生を真空放電と唱える。

澄み切った空間に、電気的エネルギー発生し、
内外に向けて放射する、ということである。

電気的エネルギーは右に旋回しつつ、
ヨコの力「電飛」となって
左右に放たれ「アー」の音を発し、

また、右に旋回しつつ、タテの力「雷撃」となって、
上下に放たれ「オー」の音を発す。

次に、電気的エネルギーは、左に旋回しつつ、
タテの力「雷撃」となって上下に放たれ
「エー」の音を発し、

また、左に旋回しつつ、ヨコの力「電飛」となって、
左右に放たれ「イー」を発す。

こういった中心軸が決まり、
タテとヨコの秩序が整った時点で、
より詳細なる働きが生まれることになる。

この詳細なる働きをなす力が75声なのである。

空間に、水火という素材で作った
真っ直ぐの柱を立て、ヨコの梁をうがち、
屋根を葺き、外壁を整える。

言霊は、空間に、このような屋敷を
建築する過程と 同様でなのである。

「スウアオエイ」が、大事な基礎工事音であり、
外壁、装飾の工事が75声と思っていただければよい。


続く・・・・