特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座158


「多面的にとらえる八力」 その(1)


先の講座で、平面的から多面的にとらえるというお話をしました。

さて、ここまで話が進みますと、
霊体一致の法則により実際的な動きに入らねばなりません。

思いを行動に移す、これは「理念を実践する」ということであります。

日本の思想と言うのは、このように「まず理念を打ち立て」
そして「理念を裏付ける」というのが順序であります。

そしてそれを一致させることが霊体一致の顕現であり、
これを「ツルギ」と言います。

高い理念と言うのは、それを実践したときには、
滑らかで温かく力強く速く、そして美しく優しいものなのです。

もし、理念通り動いてみて、それが直線的で堅く、
体に負担がかかって辛いものであったなら、
そして心に平静さを失するようなものであったなら、
それは間違った理念と言っていいと思います。

さあ、稽古に入ります。

相手が「解」を打ってきたとします。
これを「凝」で組みましょう。

内回り旋回の技「解」に対して、こちらも内回り旋回の「凝」で組みます。

すると相手とこちらとで、一つの大きな輪が生まれ、
これで双方とも丸く治まります。

これはもうやっていますのでご理解いただけますね。

さて、次に・・・・

今度は、相手が外回り旋回の「弛」を打ってきます。

通常なら、これを同じ外回りの「引」で組みますね。

しかし、これも内回りの「凝」で組んでみてください。

・・・・どうですか? 組めましたか?

出来ない?やりにくい?

そうですか。

それではこう考えてみてください。

例えば、目前に早く回る独楽(こま)があるとします。

この独楽に対し小さな石つぶてを投げます。
それも前後、左右、上下などいろんな角度から。

どうでしょう? すべてはじき飛ばしますね。

このように旋回の力というものは相手を選びません。

どこからどのように来ても弾き飛ばします。

台風や竜巻、渦潮なども、
そこにどんな障害物があってもひたすら回り続けています。
そしてすべてを巻き込み、あるいは跳ね除けます。

本題の技に返ります。

この「弛」に対して「凝」で組むということ。

外回りに対して内回りで組むのは一体どうしたらいいのでしょう。


続く・・・・