特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座160


「力の根源の修正」


既成武道家たちの言う「矛を止める」とはまったくの理想論で、
実際に鍛錬されているのは「向かう相手を倒す」技しかないのが現実です。

まして試合制度を導入し勝敗を決することを行っているのを
見るにつけ、その現実は信憑性を帯びてきます。

肉体は戦いの技を練り、精神は平和を目指す・・・
思えば霊体バラバラ的な考え方です。

私も、これが武道の姿などと思い込んでいました。

相反するものから本当のことが生まれるはずと思っていましたが、
結局、戦いから生まれるものは怨念、憎悪、嫉妬などの
悪想念しかないのです。

武道家たちは、戦いの技にどこからか宗教や禅、または瞑想などを
くっつけて高尚な「道」に昇華させようとつとめていますが、
非常に無理があります。

静かに座っているとき、または平和を説いているときはいいのですが、
いざ稽古に入ると結局は、牙むき出しの倒しあいが始まるのです。

これでは何にもなりません。

理念と実践とは一致しなくては意味がありません。

ひとつの稽古によって、
魂と肉体が同時に向上できるものでなくてはなりません。

そして最も大切なこと・・・戦うことを最初から排除することです。
根っから考えぬことです。

さて、過去、武の先人たちの手により日本武道が広く海外を渡りました。
そして、それはすでに様々な国で根深く定着しています。

その伝わった武術の技は先に言いましたように、
勝負を基点とする破壊殺傷のための技術と理念であり、
世界の軍隊はその破壊的技術と理念を導入して我国防衛、
また他国侵略のための戦術の参考にしているのです。

いまや武道は世界中の戦う者にとって、
必要不可欠な肉体的、また精神的支柱とも言えます。

それは武道を「マーシャルアーツ」と訳されているのを
みても分かります。
彼らにとって武道とはコンバットの源なのです。

和の国、日本から発した武道が世界で破壊のエネルギーと化して
世界を荒らしている・・・恐ろしいことです。

同じ神の子である人間同士が我欲のために互いに争いあう。
その争いのための術として武道が用いられているのです。

創造のための技であったのが、破壊のために用いられる・・・
武道発祥国、日本としてこんな悲しいことはありません。

すべて海を渡った武道家たちのせいとはいいませんが、
少なからずその責任は大きいと言えます。

神の力であったツルギ(八力)の運用を誤り、
それを悪魔の力に落とさしめた人類の罪業は
決して軽いものではないでしょう。

いま、我々は自分で自分の首を絞める結果を招いています。
何とかせねばなりません。

どうする・・・?

神の息吹である言霊の封印を解き、
神の力「ツルギ」をもって邪悪なる刀の力をおさめ、
神のまことの力を現すしかありません。

そして破壊の技と心を悔い改め、神第一、和合第一の心技こそ
武道の姿であると、口と行動を通して世界中の人たちに知らせるのです。

武道は人類の力の象徴であり根源です。

武道に対する価値観が変われば、力の価値観も変わります。

そうすれば世界が変わるはずです。

そしてきっと世界から戦争が無くなるはずです。 

力の根源の修正・・・もちろん一人の力ではかないません。

皆でやりましょう、言っても勇壮に戦うのではありません。

神の力を借り、和むのです。ひたすら和むのです。


続く・・・