特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座235


「中級レベルへ〜平面から立体的に」 (2)


前号からの続きです。
前後の足運びではなく、螺旋の足運び?
簡単に言えば「回り込み」と言うものです。

例えば、パートナーが、
「解」を打ってきてくれたとしましょう。
こちらは「ア」を使います。
この時、いつもなら下がって「凝」で組んで、
出て「解」で打つ、などの
直線的な捌き方を行いますが、今度は、こうします。

打ってきてくれたなら、左足が右後方直角に移動し、
体を左方向に回転させながら「凝」で組むのです。

つまり体を左に開いて、
いえ回転させてパートナーの姿を右側面から見るのです。

そして、体を右に捻り返し、
また左に捻り返し、くねらせながら「解」を放つのです。

体はグルグルと一定方向に旋回させることは困難です。
ですから、これは「腰の打ち返し」と言って、
体を右に左に・・・と、捻転させる方法をとって
動くやり方をとります。

この方式をもって、パートナーの打ち込みの
勢いを利用して右に回りこみ、左に回りこみします。
ここに来て、剱の旋回のみならず、
「体の旋回」が木剱を中心として正確に現れます。

前後の体さばきに比べ、動きに熱と光が発し、
立体的になってまいります。

さて、こうなると、例えば「凝」でしたら
基本的には向かって左方向からの力「解」などに
対するしか組むことを知らなかった人たちは、
今度は凝をもって、「弛」の打ちに対して
組むことを可能にします。

こう来たらこうする・・・と言う既成概念を打ち払い、
どうきてもこれ一つで対処出来るという
「一元一義」から「一元多義」への移行となります。

「アの剱」ひとつがこんなに華麗に変身するのかと
驚かれることでしょう。

道場内が、ますます「シホ コオロコオロ」の
温かな和らぎの空気に満たされることでしょう。

古参のメンバーには「中の剱」の稽古に合わせて、
この立体的な組み方の稽古も行っていきます。


続く・・・