特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座245


「中級者のための稽古」〜螺旋の特性を活かす(3)


川原の石は丸い・・・なぜ丸い?
それは激流に耐えてきた証でしょう。

角張った石も様々な方向から刺激を受けて
角が削られ磨かれ、そして最終的な形状が○なのです。

言い換えれば、○は、
あらゆる力に対応出来る形であると言うことです。
様々な力に耐えるには○になることが必要と言えます。

でも意識的になろうとしたって、
とりあえずかっこうはつくものの、
気持ちで踏ん張って取り繕った形と言うものは、
もろいもので、
ちょっとした刺激ですぐ崩壊してしまいます。

私達は、稽古でこの状態をつくるのです。
しかも磐石なる○を形成するため。丸く動くのではない。
丸く動かさざる得ないように仕向けるのです。

稽古においては、あらゆる方角から打ち込んで来る、
しかもそれがどこから飛んでくるのか分からない・・・
そういった状況に身を投じると、これはもう角ばった動き、
つまり四角形ではすぐ潰されてしまいます。

宇宙を見てください。惑星がなぜ球体なのかを考えて下さい。

はかり知られない重力と引力が働いている中で、
それに耐えうる力、その形状は何でしょう?

宇宙とはいかないまでも、
野球や、サッカーなどのボールを見てください。
強く打たれ、蹴られているのに耐えているではないですか。
なぜ耐えうることができるのでしょう?

答えは簡単です。○だからです。
丸は、加わる力を中心にもっていき、
また力をうまく分散させるという形状なのです。
つまり和良久的に言えば、集中と拡散を同時に行っているのです。

私達は、動きをより正確に○に近づけるため木剱を用います。
そして、それを猛烈に螺旋させます。

その螺旋の中に我が身を投じて、螺旋に身と心を同調させます。
動き丸ければ、心また丸し。動きと心は比例するようです。

ガサガサ動く人は、心も落ち着きのないものです。
いえ、心落ち着かないから、動きがガサガサするのでしょうが、
この「まず心を鎮めましょう」と言うのが中々、
我々肉体を持った人間には難しいものなのです。

まずは外から直すのです。外の動きを丸くする。
そうすることによって内が矯正されてきます。

内外は一致したものです。別個のものではありません。
心と肉体の関係を見つめることが稽古と言えます。
そして、稽古によって、私達を動かす偉大な存在を
発見する日があなたにくるでしょう。

その時こそ「おめでとう」と
祝福させていただきたいと思います。
稽古のワンランクアップがなされたからです。

理論を実践する・・・つまり思いを形にする、
それを確認する、これが武道です。

続く・・・