特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座246


「素手の技」(1)


和良久は原則として木剱の稽古を主とします。
なぜなら、素手はややもすると筋力の優劣をつけ、
倒す、倒される・・・の競い合いに陥りやすいからです。

私は過去、この木剱の稽古に没頭する以前、
素手の研究を必死になってやった時期がありました。
そして、とうとう八力を素手に転化する技術をまとめました。
それは「75剱」をもとに「倒す」技術として現われ、
非常に猛烈な技でした。

この技の応用範囲は無限に拡大します。
掴み、投げ、打ち、突き、蹴り・・・
八力は様々な変化に対応できる
驚くべき技として五体に脈打ってきます。

私は、素手の技を研究し、ノート10冊を
越えるほどにまとめました。
しかし、この時自分の心に芽生えたものがありました。
それは角張った鋭利な刃物のような鋭さでした。

倒す技術の開発は、和良久の趣旨とは
正反対の要素を生み出したのです。
私は空気の良く無さを感じ、このノートを封印しました。


私は過去に素手の格闘技で天才といわれた空手家「芦原英幸」と、
言霊剱の創始者「奥山忠男」の二人に師事しました。
この二人、偶然にしては出来すぎてますが、
どちらも愛媛県の八幡浜におられた方々です。

私は18〜21歳の内弟子時代を八幡浜で過ごし、
芦原先生の回り込みの技術を叩き込まれました。
そして26歳に亀岡に行き、奥山先生に会い、
剱の世界に入ったのです。

この芦原空手、いま分析すれば
八力を駆使した倒しの技術でした。
ある武道のように、申し合わせたように
倒れてくれる見せ掛けのものではなく、
相手が本気になって殴る蹴るの中で使用可能な技でした。
この時の経験が大いに役立ち、
剱の技が素手の技に転化させることが出来ました。

また、既成武道の技のすべてが、全部八力で解明出来、
技の良し悪しを判定出来るようになりました。


続く・・・