特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座290


「螺旋を起こしてから組む」-2-
〜ワンステップレベルアップのために


勝つために手段を選ばない・・・という、
思慮のないスポーツや戦争と同じ
低次元の世界に籍を置いてはなりません。

何をなすにも
「神の御心に沿った正しい手段を選ぶ」
その勇気が大切だと思います。

人の命は「いま」だけではありません。

肉体を違えて、生き通し生き続けます。

キリストの言う「永遠の命を得る」とは、
現界、霊界ともに変わらぬ共通の法則を
身に着けるということであります。

この法則こそ宝であります。

この世でしか役に立たない宝を持つことに焦慮しないで、
あの世にも持っていける宝を今から積むことです。

あの世に持っていける宝とはなんでしょう?
それは決して眼に見える宝ではないはずです。

見えないけれど存在するもの・・・
それは人のもつ創造的な思想と技です。
これは天国にもっていけます。
天国もその技を必要としています。

破壊的な思想と技、これは地獄にもっていくものです。
地獄もその思想と技を必要としています。

私たちは稽古によって
毎回無形の宝を積み上げています。

それを鋭角波動によって崩壊させてはなりません。

鋭角波動は、組む稽古の時によく現われます。
相手より優位に立ちたい、相手を打ち負かしたい、
と言う気持ちが鋭角波動を引き起こします。

相手と仲良くしよう、相手が組みやすいように、
また打ちやすいように仕向けてあげよう・・・
と言う心遣いが螺旋波動を産み出すのです。

組む稽古などは、慣れるまで慌てずに
ゆったりと行ってください。
お互いを思いやりながら。

組む稽古は重要です。
難しいからと言って、これを避けることは出来ません。

技は、「まず一人で出来ること」から入ります。
これは自分の「思い」と「呼吸」と「動き」を
一致させるためです。

つまり、自分の体と心をしっかり、
自分の意思でコントロールさせることが大切なのです。

皆さんご承知のように、自分の心だから、
また体だからと言って、思うようにならないことは
痛感されておられることでしょう。

実は、最も、厄介なのが
この「自分自身の制御」なのです。

もし、自分自身をうまくコントロール出切るように
なったのなら、人とも、また社会とも、そして
大自然ともうまく共生していくことができるでしょう。

人の心と体は、神様が創造された最大にして
最高の芸術作品なのです。

神を知るためには、人というものの構造を
詳細に調べていくことです。

そうすれば、人の中には、海があり、空があり、
樹木があり、川が流れ、風が吹き、そこに雲が流れ、
野山があり、家が建ち、様々な生き物が活動している
ことを知ることが出来ます。

宇宙そのものは、天空のかなたにあると同時に
我々の中にもあるのです。

それら万物を動かしている大いなる力こそ、
螺旋であることを知ります。

誰もそれに逆らうことは許されません。

さあ、そういった気持ちで組む稽古を行ってください。

ただ組む〜受け止めるだけではなく、螺旋をもって組み、
その力がいっそう加速し、大きな力となって
最後の打ちにつなげるための稽古です。

すでに、されている方もいますでしょうが、
もう一度チェックしてみて下さい。

あなたの劒は、あなたが一歩を踏み出した時から
旋回していますか?

そして、それが最後まで勢いが落ちることなく、
それどころか、猛烈な加速を起こしてして
最後の打ちとなっていますか?

その勢いこそが、相手にとっての福音なのです。
相手のために加速するのです。

その打ちは、相手を倒すのではありません。
相手を活かすための打ちなのです。
相手を元気にさせるためのカンフル剤注入なのです。

具体的にはこうです。

まず、力の源泉である螺旋を起こしましょう。
クルクルと旋回させながら間を詰めましょう。

やがて、あなたが起こす風の中に向かって
相手の打ちがやってきます。

相手はあなたに力を分け与えてほしいのです。
だからまず自分の力を差し出してくるのです。

相手は、自分の力を、あなたの技によって
増幅してほしいのです。

その打ちを、あなたは「凝解分合動静引弛」の
いずれかに変化して組みます。

力は急には生まれません。

まず、旋回させて勢いを創っておくことです。
これが自力です。

そこに相手が打って来ます。
これが他力です。

この自力、他力の合致こそ真の和合の力なのです。
これを神力と言います。

続く・・・