特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座291


「神風」-1-


空気中には、過去、現在、未来にわたる、
あらゆる情報が行き交い、また情報は
空気中に保存されています。

機械的に作られた電波でさえも、
発信機をもって見えない空気中を移動し、
受信機に届きます。

まして、人の思念は機械以上に強く空気に響き、
思う相手、または神に仏に届くものでは
ないかと存じます。

それは時に空気の状態により、
時間を超越して遅速が生じるものです。

空気の状態が良いと、
情報はすっーと行くべきところに届き、
良くないと滞ってしまいます。

良い状態とは、空気が澄み切って
円やかな波になって動き流れていること、
つまり螺旋波動のことであり、

良くない状態とは、空気が澱んで角ばっており、
波の無い凍結していること、
つまり鋭角波動になっていることです。

空気中を移動し、蓄積される情報の量は、
24時間、しかも人類創生期から、
空気中を一分の隙もなきまでに埋め尽くしています。

送る側と受ける側の流れが円滑に行けば、
その情報は用を足し、つまり願いは成就して
空間に溶け込み、あるいは何らかに自然に
適応した形となって残るものもあるでしょう。

自殺や横死を遂げた人のあった場所は、
その亡くなった人の断末魔の叫びが、
その場の空気に強烈な鋭角波動として記録保存されます。

ですから、そこへ行くと背筋が寒くなったり、
なんとも暗い、いやな気持ちになったりするのです。
すべて、空気のもつ情報保存の作用からくるものです。

近年の戦争などは、
本当に物凄い鋭角波動を発生しています。

それは国境を越えて、
全世界に広がりをもたせています。

だから、そこをお祓いし、
その場の空気に残る情報を消去、
つまり鋭角波動を消します。

そして、亡くなった人たちの霊を供養する、
つまり、螺旋波動を構築するのです。

さて、今ほど雑念の生じない昔なら、
きっと空気も綺麗な波を打って
往来していたことでしょう。

その空気中に生きている我々は、
行き来する電波や思念の影響を
受けないはずはありません。

空気中を移動する情報には、
素晴らしい情報もあれば、
耳を塞ぎ、眼を覆いたくなるような
吐き気のもよおすものもあるでしょう。

人を思いやる、愛に満ち溢れたものなら、
それはいくら飛び交っても害になるどころか、
むしろ、それは空気に螺旋波動を起こし、
和やかな空間を形創るでしょう。

しかし、先ほど申し上げたように、現代発生する、
そのほとんどが他への誹謗中傷、罵詈雑言、
虚言など悪意に満ちたものです。

また電波だけではなく、人々が発する劣悪な言葉、
行動から生ずるものをはじめ、
様々な鋭角波動を形創る行為によっても、
世界中の空気が傷ついています。

例えば、空気を切り裂いて無数に飛び交う弾丸や、
「そこのけ!」と、われよしに
風をきって走り回る車やバイク。

また、冷たい視線や暴力、冷徹な感情、

恐怖と激痛に苦しむ子供たちの泣き声、
絶叫して逃げ惑う群集の叫び、

空腹に倒れ、蝿が群がる中で息も絶え絶えに
虚空を見つめる悲しげな眼、

そして、それら生き地獄に苦しむ人たちを尻目に
あらん限りの贅を尽くし、酒池肉林におぼれる
一部の人々の不適な笑い声・・・

それらによって、空気が傷つき、破れ、色あせ、
角質化しています。

以上のような、この世に存在する
あらゆ悪意、邪念から、邪気は発生し、
空間はみごとなほどの鋭角の文様を築き、
氷のように冷たく鋭く変形しています。

多くの人々は、それに知らず知らずに触れ、
傷ついています。

そういう場に行き、試しに呼吸を整えて、
その手で静かに虚空を撫でてみて下さい。

螺旋波動の素晴らしさを知り、
丸い水火の実在を知る和良久の稽古人の皆様には、
空間の、そのトゲトゲしさが分かるはずです。

場所によっては、手をかざさずとも、
体にとげが刺さってくるほどのものを
体感されるでしょう。

まるで日の暮れた茨の藪の中を、
血だらけになって、さまよっているような、
暗くて、痛くて、悲しい気持ちになります。

鋭角波動の空間。
そこは、もうこの世において地獄を現出しています。

これだけ空間が傷ついているのですから、
人がイライラするのは無理もありません。
子供たちがキレルのも無理がありません。

他人の言動が、固くて、不快に聞こえ、
それが耳や肌に突き刺すように感ずるのは
無理もないことです。

そして、誰かを殴りたくなり、傷つけたくなり、
殺したく思うでしょう。

こんなきつい鋭角波動の空間が広がっているのですから、
凶悪な犯罪や戦争が起こるのも当然のなりゆきでしょう。

元来、澄み切っているはずの空気が、
いま、ドズ黒い邪気に変わっています。
これでは、争いが尽きず、原因不明の病も
発生するでしょう。

人の心も体も、何もしないでも、
ただこの世に存在するだけで傷つき、
どこかへ逃げ出したくなります。

その傷が深くなって、心の奥底に達し、
体調にも不調を来たすのは当然のことです。

この空間の傷つきよう、汚れようは、
海や川の水の汚染と同じです。

透明度が無くなって、先が見えない・・・
悪臭が漂い、まるでドブ川です。

金魚鉢の中の水が汚れたら、
金魚は病気になり、死にます。

私たちの住むこの世界も金魚鉢の中と同じです。
でも、私たちが金魚と違うのは、汚れないように、
いえ、汚さないようにする知恵と力をもっていますし、
もし汚れたとしても掃除をします。

しかし、これだけ汚れているのに
掃除もしないなどとは、やはり
現代人は金魚と同じなのでしょうか?

世の中が、冷たくて、尖っていてて、
痛くて、暗くて、気持ちの悪い感じがするのは
この鋭角波動のせいです。

逆に、ここは空気のよいところだ、
あ〜あ、気持ちがいい・・・と
思わず背伸びをしたくなるところがあるでしょう。

そこは、螺旋波動の存在する場所です。

和良久の稽古場にくると、
「気持ちが良い」と言う人が多いのは、
部屋内の空気を稽古によって、鋭角波動を除去し、
螺旋波動に変えているからです。


続く・・・