特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座425


「時空を越える水火の間」


間は、時間と空間をコントロールする
技術である。

100キロ離れた所からでも間をしめ、
体が接触している中でも間を離すことが出来る。

また、霊界と現界という
異次元の世界の出入においてもそうである。

私達は、通常足を使って相手との距離を
開けたり、縮めたりする。

しかし、空間の間をいくら開けたり、狭めたり
したとて、間をコントロールしたことにはならない。

足で間をコントロールするのは最初の習いである。
本当の間は息、呼吸で図るもの。

つまり、間の最大の要素は、
実は「水火」なのである。

蛇は蛙の呼吸を、
猫はネズミの呼吸をコントロールして、
動きを止めてから一気にこれを捕らえる。

昔、ネズミが天上から人の息を合わせて
金縛りにあわせたと言う。

相手の体の大小に関わらず、
呼吸の合わせられた者は、
自分が果たすべき、その機能の自由を奪われる。

つまり、合わせられた者は、合わした者の水火に
コントロールされることになる。

動物のもつ本能というのか、
強者は弱者の息をコントロールする。

そうすると、強弱の違いは
呼吸の強さ、弱さということになる。

蛇が蛙を捕るときや、トカゲが虫を捕るとき
・・・なども決して機敏な動きをもってしたのではない。

ゆっくりとした動きの中から、自分よりむしろ
動きの速いものを確実に捕らえることを知っている。

間をしめたり、広げたりするのは、丁度、
望遠鏡のズーム機能を扱うようなものだ。

心の調節器を回して、遠くを近くに見たり、
逆に近くを遠くに見たりするようなものである。

足で距離をコントロールするのではなく、
水火で距離をコントロールすることである。

その場を動かず、相手との間をしめたり、
あけたりする・・・そうなれば、もう水火は
宇宙と調和したも同然であろう。


続く・・・・