特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座491


「ますみの鏡の火水(ひみつ)」(3)


宇宙に偏在する音響である以上、
地球的(平面的)発想ではなく、
宇宙的(立体的)発想でなければ答えは出ない。

霊的なる呼吸の玉・・・
言霊は、平面的な円盤状ではなく、
球体という立体形なのである。

また、この音韻表の音声の組み合わせは、
書かれてある順番ではなく、
「鏡」と言われることからすれば、
すべて「対称的」に書かれているはずである。

そのように、言霊は鏡の力をもつ。

しかも、その映し出すものは3D映像のように、
平面的なものでなく、立体的なものなのである。

私には、この「ますみの鏡」という音韻表から、
物凄い潮流の流れを見、
また規則正しい星々の運行を見る。

それは海図表であり、星座表である。

そして、これは同時に反射する力をもつ。

すでに稽古しているとおり、相手が打った瞬間
それを螺旋で跳ね返してしまう技が、
その反射力を証明する。

「ますみの鏡」・・・この言霊の意味は、
円満具足にして、完全に澄み切った
火火水(かがみ〜神霊)である意味であり、
要約すればス神(主神)を指している。

鏡とは、対照するものを同時に存在させる。
つまり「相手を映す力」をもつのだ。

これは、自他の「和合一致」であり「神人合一」である。
即ち「帰神」である。

また、照り返す、映して返す・・・など、相手に反す力
つまり「反射する力」ももつ。これ「鎮魂」である。

以上の「相手のそのままの姿を映し反す」という、
対照力と反射力を兼ね備えた存在が神である。

要約すれば、鏡の力なる75声をもって鎮魂帰神をなす・・・
「ますみの鏡」はそういったことを示している。

さて、ここで天の岩戸開きの神話を思い出してほしい。

ヤアタノカガミと言う「鏡」を置き、
アメノウズメノミコトが「鎮魂帰神」を行い、
アマノタヂカラオノカミが「75声」の言霊を駆使して
岩戸を開いた・・・

「鏡」「鎮魂帰神」「75声」
この三つのキーワード。

まさに、ますみの鏡は、天の岩戸開きを行う
火水(ひみつ)が隠されているように思う。

小さな意味での「天の岩戸開き」とは、
人のもつ潜在能力の開花であり、
三つの丹田(上田・中田・下田)の完全活用を指す。

人は、生きている間に、
どれだけ神から与えられた力を発揮しているのであろうか。

人は、本来もつ能力の氷山の一角しか
使えていないと言われている。
能力のほとんどが眠ったままである。

まだまだ自分の中に眠る、本当の力を表に現し、
活用させ、この世に下される際に与えられた、
神からの使命をまっとうしなければならない。

とにかく、人は神に似せて創られたという
本来の姿に立ち返ることが人生の目的である。

奥底に眠る本当の自分を表に引っ張り出して、
その光を世界に輝かせるのだ。

そして、あなたを通して神の実在を世に知らしめるのだ。
それが神が最も望むことである。

神は言う。

『私があなたを立てたのはこのことのためである。
すなわち、あなたによって私の力を現し、
また私の名が全世界に言い広められるためである』

つまり「覚醒」こそ、
小さな岩戸開きの意味のひとつである。

さあ、その次に、いよいよ
人類レベルの大きな岩戸開きにかかるのだ。

三田まったき者達が集い、霊力体を駆使して
人類救済のための大なる覚醒に臨むのである。

それを妨げんとする悪魔を
容赦なく言霊劒で打ち滅ぼしながら。


私たちの神は、今度は絶対譲れないという
大戦(おおいくさ)を起こされる。

負けたら従ってやる・・・と臍を決めておられる。

神が負ける・・・それは悪魔の思うままの世となること。
それは人の形をした獣たちの世界。
人類どうしが共食いする世。

天災、人災から来る火と水の猛威により飢餓、
争いが絶えず、噴水のようにあちこちで血が吹き出し、
骨の折れる音と、皮が破れ腐敗臭漂う
眼も当てられぬ世界。

泣き叫ぶ声、悲鳴・・・阿鼻叫喚の声が天地に響き渡る
生殺しの世界こそ神不在の世界である。

火と水が創造力として使用されるのではなく、
破壊力として使用されるのだ。

これは、すでに世界各地で起こっている。
そして、これを現出したのがほかならぬ私たち人類である。

神は、絶対無敵の力である「反射力」をもってしても
多勢に無勢となる。また、時節には叶わないとも言う。

神が勝利するために我々が出来ることは、
一人でも多くの者たちを改心させてこちらがわに引き入れ、
軍勢を整え、時を違うことなく攻め入ることであろう。

神と同じ力「反射力」を75劒で身に着け、それを楯とし、
また矛として戦うのだ。

最後のカードであり、唯一の抗戦術、
そして一厘の仕組みと言われるもの。

それが「言霊」である。


続く・・・