特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座555


続 十字の法


十字の法は、稽古をしていない者が、
たんにその格好だけを真似てもだめである。

水火の実在を信じ理解し、日頃から水火の鍛錬を
一心に積んだ者にこそ効力を発揮する。

我々が稽古で行う八力、八剱は、
全身で行う十字の法である。

その軌道は、水火の法則に基づき
「○」「・」「−」「|」「+」を
大きく勢い良く描いている。

心魂を傾け全身全霊で、これ以上にないほど
大らかに、また滑らかに螺旋を描き、空中の波動を

調整する・・・このように、稽古で培った
水火の力があってこそ、手で空中に小さく印を打つ、
略式とも言えるこの「十字の法」が
効力を発揮するのである。

日頃こうして熱心に行じている者が、
緊急の場合に行うのが十字の法である。

これから行うことは大丈夫だろうか、
失敗しないだろうか?

車の運転で事故をおこさないだろうか?

愛する人の身の上が案じられる、
災いが降りかかってきはしないか?

・・・など、人と言うものとかく心配性に出来ている。

だから常の心が揺らぎ、不安定になりがちである。

そういった自信がなくなりかけたときに
この十字の法をサッサッサッと行って
「よし、大丈夫」と確信し気丈さを取り戻すのである。

これは日頃たゆまない訓練を積んでいる賜物と言える。

大いなる存在に身も心もゆだねることは、
安心立命を得る基本である。

「こうこう、こうしたら見えない存在が守ってくれる」
と言う確信をもてることはとても幸せである。

物質世界に生きるわれわれは、
見えない「心」というものを、
形に現すというということによって、
不思議と気持ちが安定するものだ。

空間に「無い」やりも「ある」と考えた方が気持ちが
確かになる。さらに手で形を整えて確信する。

その法を行った際、一瞬にして
稽古で行っている八力をはじめ
すべての技が蘇ってくるのだ。

その手先で行う小さな型は、大きな型と融合し
大きな波動を発生せしめるのだ。

情勢不安定なこの時代。
そのように身をゆだねれる手段をもつことが大切だ。

物事は思念、言葉、行動の三つが一致して
初めて成就する。

思いは、声になり、形になる。

夢(思い〜霊)は言葉(言葉)にあらわすと、
やがて物質化(形)する。これ法則である。

思いの無い言葉は、単なる音である。

言霊は、例えば饅頭のようなものだ。
中にしっかり「思い」という餡子がつまっていて、
外側には綺麗な皮が覆っている。

言葉と思いの一致したものに
現実化するに至る霊的エネルギー「言霊」となる。


続く・・