特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座72

無形の剱の威力

力は内に向うと、いくら力があっても無力となります。

試しに拳を握って力み、その握った腕を相手に捕まえてもらって下さい。

さあ、その腕を振りほどいて見てください。

どうです?

思うように相手の手から逃げられませんね。

そしたら、次にその手を開いて見てください。

手首を反らし、五指をしっかり伸ばし、その指の間を広げます。

その手を、指を真っ直ぐ天に直立させて、そして垂直に上げてみてください。そうです。「天剱」の姿勢です。

さあ、どうでしょう?

そんなに力も入れてないのに、すっとぬけれますね。

このように、手を握り締めて拳をつくりますと、
手から発しようとする息(呼吸)が出て行かず、内に篭ります。
そうすると力は外に解放されず固まってしまいます。

手は、息の力を表現しています。

手の動く様が快活なら、きっと体も健康この上なしです。

以前にも述べましたが、幽霊のような手は駄目です。
幽霊の手は、指に力がなく手首が曲がり、
だらっと下に向って垂れ下がっています。「まさしく死んだ手です」

人は、生き生きとした呼吸のする「活きた手」を持たなければなりません。

力を発する要領が分かってきたら、次は相手に、
両手で片手を持ってもらいそれをほどきます。

ちょっと手ごわいと思われる時は、自分の掴まれた手の真下に
自分の足を置き、手足の上下を一致させて、垂直に動きますと
手は用意にほどけます。


続く・・・・