特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座259


「違うけど、違わない」(2)



・・・ある意味これは非常に困ったことです。

さっきやった動きと、今やった動きと違う
という混乱を招きかねないからです。

やっている本人としては、まったく同じように
動いているつもりなのですが、
別の者が見たら「違う」ように見えるのです。

この問題は、稽古すればするほどに
変化の過程は容赦なく訪れ、
技の修正は余儀なくされてしまいます。

「技は変わるのか?」
「そんな、ころころと変わってもらったら
教わる側は大変じゃないか」

「それじゃ何を信じていけばいいのか」
「気まぐれな稽古もいい加減にしてもらいたい」

・・・などと、方々からお叱りを受けそうです。

しかし安心してください。
本質はまったく変わりません。
技には一向に変化無しです。

ただ変わるのは技のもつ速度と強さ、
美しさです。

旋回している形状に角が無くなり、
一層丸みを帯びてくる・・・
と言うことだけです。

例えば、独楽が回るようなものです。
独楽はゆっくり回っている間は、
複雑にぐらついてちょっと押せば
ひっくり返ってしまいます。

しかし、高速に回転している独楽は、
ぴたっと止まっているように見え、
触ってもはじき返す猛烈な力をもっています。

その姿はまことにシンプルでいて、
しかも静かで凛としています。

このように、技は進むにつれ、複雑さが消え、
ますますシンプルな形になっていきます。

もつれた糸がほぐれたように、
サラッとして一見誰でも出来そうに、
簡単なものに見えます。

もちろん螺旋は宇宙一シンプルな形状であり、
総てのものが有する基本的秩序保全の
システムであります。

しかし、時とともに人の思いは複雑になり、
いえ、言葉は悪いのですが、ひねくれて・・・
と言ったほうがいいかも知れませんが、

素直になれず、余計なことを考えすぎて、
動きや思いに蛇足をつけて
一層世の中を複雑にしています。

続く・・・