特定非営利活動法人 武道和良久

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誌上講座 誌上講座

誌上講座358


「言霊呼吸」


わが国の言葉は、言葉そのものが
他に比類の無い呼吸法でもある。

正確に言葉を用いれば、
それがちゃんとした呼吸法となり、
道を過つことなく、また壮健でいられる。

呼吸は、生命を保つの基であり、
食物や水は一日二日断っても命に別状はないが、
空気は少しの間も断つことは出来ない。

何がありがたいと言っても
空気を吸えることほど
ありがたいことはないのである。

もし、この空気を与えられることが
許されなかったら・・・

そう思い、改めて空気を頂戴出来ることへの
感謝の念をもち、

気持ちを新たに一息吸ってみた時
まことに感慨深いものを感じる。

微細に呼吸に意識を向けるとき、
吸う息、吐く息の一息のサイクルの中に
生死が存在することを見い出す。

吸って息を引き取り、吐いて誕生する。

吐く、吸う、吐く・・・を繰り返し
かくて呼吸は螺旋する。

輪廻転生かくの如しである。

「さあ、呼吸をしてみましょう」
と言っても、実感が湧かない諸氏が多く、
また言葉と呼吸の関連について問われるので、
その基本的方法について略述してみたいと思う。

和良久は、大気中の鋭角波動を消去する技である以上、
呼吸についてはかなり神経質である。

さて、呼吸法には、大別して以下の三つがある。


■上田呼吸(胸式呼吸)

音声    ア    イ
霊魂   幸魂   奇魂
八力  凝/解  引/弛
旋回   内旋   外旋
方向   左右   右左

鼻から静かに吸う息を
胸に入れる浅い呼吸。

この時、お腹を膨らませない。
動くのは胸と肩。

中田から上の、上体を用いて行う
呼吸法と思えばよい。

主に、柔らかい動き、優しい言葉を
用いる際の呼吸。


■下田呼吸(腹式呼吸)

音声    オ    エ
霊魂   和魂   荒魂
八力  分/解  動/静
旋回   内旋   外旋
方向   上下   上下

鼻から静かに吸う息を
お腹に入れる深い呼吸。

この時、胸を膨らませない。
動くのは腹部のみ。

中田から下の、
下半身を用いて行う呼吸法と思えばよい。

主に、強い動き、厳しい覚悟をもつ際に
用いる呼吸。


■中田呼吸(全身呼吸)

音声    ウ
霊魂   直霊
旋回   内外旋
   方向   前後


鼻から静かに吸う息を胸部と腹部に同時に入れる
広い呼吸。

この時、体全身を膨らませるように吸う。
また体全身が、縮まるように吐く。

中田を用いて行う呼吸法。

主に、集中を用する時、
細かいことをなす際に用いる呼吸。
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●呼吸法の一例

 「スウアオエイの呼吸法」

準備 〜姿勢を正して正座し、体の力を
     ぬいて静かに瞑目す。
     
①ゆっくり空気を鼻から吸い全身に入れる。
 少し止めて後、口の形は「ス」の発声の
 要領で歯から静かに吐く。
 
 この時、布斗麻璽の御霊の「ス」をイメージする。 


②ゆっくり空気を鼻から吸い全身に入れる。
 少し止めて後、口の形は「ウ」の発声の
 要領で歯から静かに息を吐く。

 この時、布斗麻璽の御霊の「ウ」をイメージする。


③後は、上記要領で息を胸部に入れる。
 喉を用いて「ア」の形で静かに息を吐く。

 この時、布斗麻璽の御霊の「ア」をイメージする。


④上記要領で息を腹部に入れた後、
 唇を用いて「オ」の形で静かに息を吐く。

 この時、布斗麻璽の御霊の「オ」をイメージする。


⑤上記要領で息を腹部に入れた後、
 舌を用いて「エ」の形で静かに息を吐く。

 この時、布斗麻璽の御霊の「エ」をイメージする。


⑥上記要領で息を胸部に入れた後、
 牙を用いて「イ」の形で静かに息を吐く。

 この時、布斗麻璽の御霊の「イ」をイメージする。

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息、つまり「呼吸」と「水火」とは違う。

「息をする」とは、鼻と口をもって
酸素を取り入れることであり、
それは身体を活動させ生命を維持させる。

これ劒(ツルギ)なり。

「水火をする」とは、天地のエネルギーを全身をもって吸収、
放出することであり、それは螺旋をなし霊的力を高める。

これ矛(ホコ〜火凝)なり。


続く・・・