特定非営利活動法人 武道和良久

特定非営利活動法人 武道和良久

誌上講座 誌上講座

誌上講座560


苦悩の時期の記録 3


以下、先の文に続き、17年前、
自分自身に自戒のためにつづった歌である。

人に向かってのものではない。
下手なのは百も承知。

ただ内からほとばしる気持ちを
ペンにとって自分に訴えたもの。

ご容赦あれ諸氏。

ーーーーーーーーーーーーーー

魂を太く大きくもつならば
技はおのずとわきいずるものなり

武の道を まっとうするがわが使命
神に祈りつ 神にすがりつ

先人の 残せる教えを活かしつつ
いまに役立つ技を磨けよ

わが言が 絶対なりといいはって
耳をふさぐる 偏屈老師

人のこと とやかく言うはさておいて
おのれの道にはげめもろひと

人は皆 ひとそれぞれに味がある
人は人なり われはわれなり

思うこと 感じることをまずなして
体験積むより悟る道なし

師のきみに 報いるすべはただひとつ
師の技極め 越えることなり

武の技は 神より来るものなれば
神に帰せよや まこと尽くして

若きゆえ 出来ると思うことをなし
体もて覚るのほかに道なし

人は人 おのれはおのれの道がある
あれこれ言わず進め汝が道

うしとらの金神さまの弟子として
胸はり進めば怖いものなし

曲神の 巣窟に入れども案ずるな
わが身に添いて 神が守らむ

スウアオエ イの言霊を唱うれば
心の霧もたちまち晴れゆく

いまの武は 枝葉のごとく裂き別れ
おのおの我を張る醜の道なる

魂を動かすものは魂の
ほかにはなきを 思いし今日の日

技のこと あれこれ体もてつくろうな
技は魂なり 気なり 魄なり

人はみな おのれに出来ぬ技をもつ
おのればかりが 名人にあらず

つるぎこそ まことの神の技ならば
なぜに わが身の向上あらずや

叱るなら 人の前では遠慮して
影でしかって笑って別れよ


八幡浜の内弟子時代を思って・・・

ペン取れば ミミズ遊ぶや紙の上

この香に 若き日思う金木犀

秋空に 冷たく香る金木犀

内弟子の 汗の匂いや金木犀

若き日の 夜の路地裏金木犀

母思い 涙あふるる金木犀

物忘れ あおる香りや金木犀


大本の 武道をどうせやるならば
既成の技を超えてみせよや

武の道に 向上心のなかりせば
ただの格技と成り下がるなり

神からの 内流なくば武の技は
我欲をみたす道具になるなり

神からの 内流いただきはじめてに
人をば活かす技となりぬる

武の道に はいりてひたすら行をなせば
いにしえびとのごと こころすみきる

みずみたま これぞ武の道司る
われらを導く 月の神なり

すさのおの 神のみことの立ち姿
拝めば しらず勇気わきずる

大神の み許しいただくこのわざは
よびとをきよむる みそぎわざなり

つるぎもて まがつかみどもたいらげし
やまとたけるのみこといさまし

われもまた めてにつるぎをかたくもち
みことのごとく いさおあげたし

裏をとる そのまた裏の裏をとる
陰気なるかな 武術の技は

神技に 裏技などはなきことを
もろびと知れよ つるぎ学んで

神技に いたるためには人の技
まず越えてみよ 苦労惜しまず

神技に いたりて使うる武の技は
愛と親とに満ちたる光ぞ

火と水を 合わせていきる地の上の
すべてのものに神の幸あり

くじけじと 進めどわれの自力では
何もなしえぬ他力なしには

自力とは 他力ありての力なり
おのがひとりでなにをなせるや

物欲に 負けぬ力をたまわりて
すみきる心で この道ゆきたし

こころざし おおきくもちて進むとも
なれをささえる 家族忘れな

たてとよこ 組み合わされてスパークす
雷撃電飛の力すさまじ

たてのわざ 雷撃なりし よこの技
電飛なりしと 神ののたまう

いつになく おだやかなりし 大空の
雲間に ただよう かみびとのむれ

武の技は 体で工夫すものならず
神の示せる 水火に従え

武の道は 信仰積みて覚るより
ほかにまことのてだてあるまじ

信仰の 力によりて 武の技を
練り励みなば 横道にそれじ

いちにちの 業なし終えて床にいれば
今日のあやまち 悔いて眠れず

誰も皆 目に見ぬ力の大きさを
体で味わば 声も出し得じ

汗流し 年月重ねてはじめてに
ひとつの動きも技となりぬる

大本の 教主に守られ生くる身は
はがねの体を得たる心地す

人のたま みぬける人のなかりしか
ただうわつらのかざりのみみて

信仰に 生きるつもりで来たならば
も少し低く頭下げよや

毎日を ただ凡々に過ごすのも
よけれど後の世思わぬならば

神かみと 口に出してし それまでか
神に近づく努力はなきか

わが心 醜さのみが鼻につき
神の御前に進むもはばかる

物欲に まなこくらみて恥ずかしや
祝詞となうる 声もつまりぬ

祝詞のり 神の御前にわが罪を
わびても尽きじ 太きわが罪

わが国の 稽古というは言霊の
水火を用いて 鍛えしことなり

続く・・・